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目標は先に、目的ははるか遠くに [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 大関貴景勝が2度目の優勝をしました。関脇照ノ富士との優勝決定戦は迷いなく前へ出て完勝です。照ノ富士が大関からけがで序二段まで落ちて、今場所関脇まで番付を上げてきたことも物凄いことですし、貴景勝の大関昇進後の苦悩の日々(けがにより大関を2場所で陥落。その後復活も成績が今一つ)を考えると、この優勝決定戦の重みを感じました。しかも貴景勝は横綱と他の大関不在で1人大関と言うプレッシャーは半端ないものと想像できます。

 貴景勝の話を聞くと、さらにたくさんのことに感動します。その中で1つ貴景勝の言葉を紹介します。優勝決定戦に臨む心境を貴景勝は次のように語りました。

「できるだけのことをやって負けたら、来場所出直せばいい」

 そして、作戦を考えずに自分の相撲に徹し照ノ富士を押し出して勝利しました。

 もし、貴景勝は負けていたとしても、できるだけのことをやったならば悔いはなく、来場所以降さらに強くなっていくのではないかと思います。

 もし、できるだけのことをやらずに負けていたら、悔いが残りますよね。優勝という結果も来場所以降の飛躍も残りません。残るのは悔いだけです。

 もし、できるだけのことをやらずに優勝しても、優勝という結果は残りますがその先はわかりません。

 他のスポーツもそうですが、大相撲は勝つことだけではなく相撲内容を重視します。横綱は品格も備えていないといけない等と言いますが、強いだけでは本当の横綱ではないのです。

 もちろん、勝負に勝つことが大切なのですが、目先の勝負にこだわっていては先々強くなれません。

 強くなるためには自分の相撲を本場所で取りきることです。そしてそこで得たものを糧として稽古に励み強くなっていきます。

 強くなると、次の目標は優勝かもしれませんが、その先に番付として小結、関脇、大関、横綱があり、それが目標となります。

 最高位は横綱ですが、力士の皆さんは横綱を最終目標にはしていないと私は思います。先ほどの話のように横綱は品格が必要であり、相撲道を極めることが最終到達点(=目的)かと思います。

 したがって、どこを目標にするかによって到達点が変わってくるということです。今までも強い横綱や大関がいましたが、相撲道を極めるという目的を持つと、横綱昇進という結果は通過点にすぎません。いや、ひょっとしたら大きな意味を持たないかもしれません。

 少なくとも、貴景勝も照ノ富士も優勝よりも高い目標を持って臨んだ1番だったはずであり、それであるならば必ず2人はその上の目標を達成できると私は確信しています。

 勉強も同じです。どこを最終到達点とするかで人生において見える色が違ってくるのです。
 我々はそこを重視しています。目の前の得点をとることよりも一生涯成長できることをです。

「できるだけのことをやって負けたら、来場所出直せばいい」
 だって、最終到達点はずっと先だから! 頑張れ貴景勝、照ノ富士!

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成績よりも学歴よりも、未来を豊かにする学び [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 数十年ぶりに高校の同級生と会いました。先日SNSで「今、大井町駅の近くに来ている」と通知が入り連絡したところ、いぶき学院のすぐ20mほど離れたお店に仕事で来ていることが分かりました。

 彼はそこに週1回仕事で来ているそうで、私が大井町で学習塾をやっていることが分かったので連絡してみたようです。本当に偶然で、まさか大井町で彼と会うことになるとは想像もできなかったことです。

 私の出身地は栃木県で、同級生と地元で偶然会うことはあっても、田舎から離れた地で、しかも近くで仕事をしているということはかなり低確率です。

 いぶき学院で1時間ほど話をしましたが話は尽きません。高校時代同じグループの遊び仲間だった彼は、高校卒業後に色々なものにはまり職を転々とします。

 有名な大学を出たというわけでもなく、かなり無茶なこともやっていたようですが最終的に大企業に落ち着き、後輩や部下にも慕われているようです。

 彼は「運が良かった」と言うのですが、私は「人柄だよ」と言いました。彼は協調性があり人の気持ちがわかる人間です。その人柄の良さと、1つの事に夢中になることで得たものが土台となり、今の彼に至っていると思いました。

 社会人になってから、私は「どちらの大学出身ですか」と聞かれたことが殆どありません。10年に1度くらいかもしれません。話の流れで「私も〇〇大です」のようなことは有りますが、出身大学の話はその程度であり社会に出てしまえば、出身大学よりも人物重視となることは間違いありません。

 私は多くの人と今までお会いしていますが、出身大学とか今までの経歴ではなく目の前にいるその人物にフォーカスします。

 どんなに勉強ができたとしても、どんなに一流と言われる学校を出たとしても、大学を22歳で卒業した後の80年の人生を飾っていくのは、そこではないですよね。「こんにちは」、「ありがとう」、「ごめんなさい」、「私がやります」と言える子の方が、多くの人を幸せにできるのではないかと思います。

 しかし、我々は成績を上げ学力をつけて、志望校に合格することを精一杯サポートします。なぜなら、志望校に合格することは自信につながり、一生懸命に勉強することは人間的成長につながるからです。そして、知識と知恵はあればあるほど未来が豊かなものとなるからです。


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コロナ終息後にやってくる学習災害 [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 新型コロナウイルスのワクチンが臨床試験で、9割以上に予防効果がみられたとの報道があり、感染者が増加傾向である中で希望を持たせるものではあります。

 今後、本格的にワクチンの接種がいつになるかは解らないにせよ、ワクチンが開発されれば収束に向かうことは間違いないでしょう。

 しかし、本当の災害はその後にやってくることを覚悟せねばなりません。

 収束に向かったとしても、すぐに以前のような生活に戻れることはなく経済活動の低迷はしばらく筒俱ことが予想されます。

 したがって、本当に辛抱するのは終息後となります。

 東京オリンピックが開催され、それが新型コロナウィルスへの勝利宣言となったとしても、本当に勝利するにはその後どれだけ年月がかかるのかわかりません。

 そこまで考えて今を行動しなければ、本当の勝利にはならないのではないでしょうか。
それは教育も同じです。

 今年度の状況は最悪ではありますが、これはコロナ禍の年で「仕方がない」という言い訳が通用しています。

 問題は言い訳が通用しなくなる来年度以降です。

 勉強も同様です。

 今年度は実質3カ月間が学校休校となり、夏休みと冬休みが短縮となってもコロナ前と比べて授業時間は昨年比約2割減です。

 休校となったことで、その分の学習内容は家庭学習で補ったり、授業をハイペースで行ったりすることでカバーをしています。

 教科によって異なるのですが、英語と数学(算数)については4月~6月に授業が無かったことは大問題であると思います。

 それはその学年の基本を学ぶ期間だったからです。「基本=簡単な内容」と思われる人もいると思いますが、「基本=重要な内容」となるのです。

 基本(定期テスト60点レベル)、応用(80点レベル)、発展(100点レベル)と難易度を3段階に分け、発展を目標とした場合に学習の重きをどこに置くかと言うと、私は、「基本:応用:発展=3:2:1」と考えます。

 基本事項の徹底理解と反復練習ができていれば、おのずと応用レベルはクリアでき、発展レベルも時間をそれほどかけなくとも到達できると思います。

 発展レベルの問題を解こうとして基本が抜けていたら、基本からやり直すことになり、しかもやり直すこと解らない所のもぐらたたきとなり、必ずどこかに穴が残るものです。

 したがって、その学年の基本を家庭学習で済ませたり、ハイペースで済ませたりすることは上を目指すほど支障が出てくるのです。

 ゆっくりでも構わないので抜けなくじっくりと学習している子の方が、先々学力が高くなると私は思います。

 さらに、学校の登校が開始された後でも1つの単元、例えば中学2年生の1次関数。この単元の学習をまんべんなくやったとすると、解らない子、苦手な子が続出すると考えられます。それはその後の三角形の合同でも同じです。

 今現在、品川区立中の11月の定期テストは始まっていませんが、おそらく試験結果は昨年に比べて平均点が低くなり、2極分化が進むと思います。

 教科書通りまんべんなくやるしかない今年度の状況は、コロナで「仕方がない」のですが、だからこそ基本を大切にしていかないと今の単元も不十分な学びとなります。

 そして来年度、その不十分な学びの中で学習してきた子供たちが、次の学年の学習を始めた時果たして学力が伸びるのでしょうか。

 しかも、来年度は中学生の教科書改訂により学習内容が確実に増加するのです。

 どんな結果になろうとも「仕方がない」は通用しません。

 「コロナ終息後に学習危機が訪れないことを祈るばかりです。」なとども言ってはいられません。

 数年先を見据えて、今は基本の理解(どうしてを説明できる)を徹底すべきです。

 時間が不足しているからこそ、時間をかけて丁寧に学ぶことが大切なのです。


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「点数が悪い」、「点数が良い」と一喜一憂はキケン [★勉強・受験 「授業・勉強法・受験作戦」]

 前のブログでは成績が伸びない子の話を書きましたが、今回はその続編です。

 学校の試験。「できた」と言っていたのにできていない。

 学校の成績。「頑張った」はずなのに伸びない。予想よりも悪い。

 学校の試験。あまり勉強していなかったのに90点を超えた。

 悪い時でも良い時でも、今後悪い方向に進んで行ってしまうのは・・・“動く”ことです。

 親は子のことが心配でなりません。

 したがって、親は学校の試験結果で一喜一憂することは当然です。勉強内容もだんだん難しくなってくると、答案用紙を見てもどこが問題なのか解らず、目がどうしても得点に行ってしまいます。

 しかし、原因が解らないのに“動く”ことは根本的な解決になりません。

 例えば動かない時計があった場合、原因が解らないと直しようがありません。電池が切れているだけかもしれません。入れ替えたのに動かない場合、電池のプラスとマイナスが逆であることも考えられます。機械的なトラブルならば修理となります。

 悪い時は“動く”ことをせず、原因を探ることが大切です。それは勉強も同じなのです。

 学校の試験で点数が悪い場合も原因は色々考えられます。

 気持ちや精神的な問題・・・やる気がない。授業中寝ている。集中力の欠如。授業中おしゃべりが多い。やるべき課題をやれない。言い訳をする。日本語力の問題。

 学習の問題・・・勉強量が不足している。勉強の質が悪い。勉強をするポイントがずれている。試験範囲を間違えた。学習法に問題がある。ノートが解りにくい。スピードが遅い。

 学習の意識の問題・・・目的がない。目標がない。理由を考えない。解らないと覚えようとする。

 環境の問題・・・家、学校、友人

 学習塾の問題・・・授業がわからない。楽しくない、つまらない。無意味と思う宿題が多い。相談できない。

 原因を見極めて行動をすることをお勧めします。心配ならば、学校やお通いの学習塾に相談すると良いでしょう。

 また、良い時こそ原因を探る気持ちを強く持つことが大切です。

 良い時は悪い時と比べて油断して、原因を探ることを疎かにしがちだからです。

 良い時の原因がわかれば、それを継続していくことができますが、解らないで“動く”と良い原因そのものを止めてしまうこともあり得るからです。

 いきなり結果が良くなり、良かったと思ってはいけません。その原因が究明できないと見えない部分の問題を解決できず、悪い結果に結びつくことがあります。

 我々は良くも悪くも原因を探り続け、悪くならないよう、良い状態を保ち、さらに向上できるようにしていきたいです。

目指すのは目の前の結果ではなく、未来の幸せと一生涯の成長だからです。


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