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定期試験でプリントと全く同じ問題を出していた中学 [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]


20数年前、いぶき学院がこの地でオープンした頃のことです。

某区立中学校の理科の定期試験対策で、試験範囲の授業をしようとすると、「先生、そんなの必要ないよ」と塾生に言われました。

「だって、このプリントがそのまま出るから、それをやっておけば点数が取れるんだ」

学校から配られているプリントの問題は、ごく普通の問題で、5,6枚あったでしょうか。

私は、いくら何でも、そのまま出るわけはないと思っていました。

プリントの問題が出ると言っても、似ている問題が出るとか、数値が変わっているとか。そのまま出るとしても何問かだけ同じ問題で、違う問題も出るとかなら、まだわかる気もしました。

ところが、本当に全ての問題が、渡されたプリントと同じ問題で出題されていたのです。

試験対策は、学校のプリントを一緒に解いて、解らない問題の解答は丸暗記する勉強になりました。

記号の回答も、そのまま「イ、エ、ア、ウ」と覚えるだけで全問正解!

ですから、理科が本当に苦手な子でも80点、90点取ってくるのです。

全く同じ問題にも関わらず、不思議なことは学校の平均点が60点とかで高くないことです。

私の推測ですが、その中学の生徒たちが勉強をしていないということです。

勉強をしない生徒たち、つまりやる気のない生徒たちが沢山いて、そんなにやる気がないならば、やる気を出させるために「同じ問題を出すから勉強をしてきなさい」となったのではないかと思います。

しかし、それでも勉強をやらないため平均点が低かったのではないでしょうか?

やる気を出させるために、ハードルを下げればいいというものではありません。

やる気になれば、多少ハードルが高くても頑張るものです。

このケースでは、頑張れば点数が取れるという体験をさせることで、やる気を出させようとしました。

ところが、うまくいきませんでした。

やる気のない理由の見極めが、出来ていなかったために招いた結果です。

宿題をやり切れない子に対して、宿題の量を減らすことは必要だと思いますが、宿題をやってこない子に対して、宿題の量を減らすことは効果が殆どありません。

プリントと全て同じ問題の定期試験は、後にも先にもその中学校の理科だけです。

その時の中学生は、現在37歳~39歳くらいになっているでしょうか。

自分の子供に、「お父さんは中学生の時、理科は得意でいつも80点以上だったよ。理科は解らなければ答えを覚えればいいんだ」と言っているかもしれません。

親は自分が経験したことを、どうしても子供に伝えます。

本当はそれがおかしなことであっても、その時はその勉強法が正解だったからです。

我々は今、目の前にいる子供たちへの指導が、次の世代にも影響を及ぼすことを忘れてはいけないのです。

塾生たちが自分の子供に良い行動、成長し続けられる考え方を伝えていけるように、接していきたいと思います。





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休むと損をする授業、参加すると得をする授業 [★勉強・受験 「授業・勉強法・受験作戦」]

 一斉指導(=集団指導、グループ指導)の学習塾で、欠席した場合どうなるでしょうか?

 私の考えは「一切フォローしてはいけない」です。補習の時間を設けずに授業で行った単元を知らせて、宿題と共に家庭学習をしてもらうことが、一番その子にとって良いと思うのです。

 以前、授業を欠席した中学生に対して次の授業で解らなくなり困ってしまうと思い補習を行いました。30分程度ですが、次の授業はほぼ支障なく受けることができたと思っています。

 ところが、その次の授業を、その子は欠席したのです。

 私は「失敗した」と思いました。

 その子に補習をしたことで、「欠席しても補習をしてくれる」、短い補習でも次の授業の内容は理解できたことで「休んでも大丈夫」と思ってしまったと考えたからです。

 そうなると、授業の欠席が多くなります。


 我々は欠席の度に補習を入れることはスケジュール的に困難で、補習をした時も時間をやりくりして行ったわけです。良かれと思い、時間を調整して行う補習がその子にとって良くない結果となって行くのです。

 少なくとも、「特別であること」、「宿題は他の人と同じようにやってくること」、「補習を行えるとは限らないこと」を伝えておけば良かったと後悔するばかりです。

 「休んでも大丈夫」、「補習を入れてくれる」と考えるのは子供だけではありません。親も同様に考えてしまいがちで、補習ができない場合は、“苦情”となるのです。

 授業を欠席する→時間を調整して補習を入れる→軽く休むようになる→補習を入れられない→苦情
こうなるともう泥沼です。

 授業を欠席する→時間を調整して補習を入れる→次からは休まないようになる→授業を大切にする
こうなると好転します。


 一斉指導での欠席に対して、欠席の度に全員に補習を入れることは不可能です。

 従って、たとえ補習を入れることができても、補習を行わないと困ってしまうことであったとしても、補習は入れてはいけないのです。

 それは、簡単に授業を休むようになってしまうこと、そして補習を行えない時があるために不公平となることが理由です。

 体調が悪くても無理してくる子もいます。

 天候が悪い中頑張ってくる子もいます。

 だから、補習をすることは不公平なのです。


 私は、休むと損をする授業、参加すると得をする授業を露座しています。

 授業は作品であり、子供たちに最高のものを提供しようと1回の授業に全力投球をと心がけています。

 だからこそ、休んで欲しくない。

絶対に軽く休んで欲しくない。

 補習は最高の授業を行うための準備の時間を割いて行うものです。

 従って、極力補習はしたくありません。


 しかし、自己都合でない欠席、例えば修学旅行や移動教室などの学校行事は、必ず別の日時に授業を設けたいです。

 又、感染症での欠席の場合。新型コロナウィルス感染やその濃厚接触となった場合は、できる限りフォローしたいと思います。

 さらに、一生懸命にやっている子が仕方のない事情で欠席したら放っておけないですよね。

何やかんや書いてきましたが、本当は授業を休んだ子は見捨てたくないというのが本音です。


 しかし、軽く授業を休むことは絶対にしてもらいたくないです。

 授業は大切!授業中に全て身に付ける気持ちで臨んで欲しいし、そうでなければ、どんなに良い授業であっても意味の無いものとなります。

 大切な用事を変更してでも、多少体調が悪くても、授業に来た子は一生懸命に受けます。

 一斉指導の良い点は、授業の日時が決まっているので、それに対して他の都合を排除して授業に参加する。だから、頑張れるのです。(一生懸命な子を目いっぱい応援したい!)

 簡単に欠席できるような安い授業は、これからもしたくは有りません。

 子供たちに応えられるように、全てを授業ぶつけていきたいです。


 でも、欠席する場合は事情をお話いただければ・・・

 やっぱり、私は甘いなぁ。


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ここが変だよ、学習塾④ 「学校を休ませる」 [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 「学校を休むな、受験生!」

 今までに何度か取り上げた話題ですが、また考えてみたいです。

 受験を中学受験、高校受験、大学受験と3つとした場合、ここで問題視したいのが中学受験です。

 中学受験は高校受験や大学受験と異質なものだからです。

 高校受験と大学受験は付属校で内部進学ができるところを除き、受験をしないと進学できません。勿論、内部進学でも一定の条件のクリアは必要です。

 ところが、義務教育である中学校は受験しなくとも公立の中学校には入れるのです。

 それにも関わらず、私立中学校や公立中高一貫校を目指して受験勉強をするのです。

 目指すこと、勉強することについては全く問題有りませんが、自分の都合で受験をするにも関わらず、通っている小学校を休むというのは、あまりにも自分勝手な行動ではないかと思うのです。

 小学校の先生も一生懸命に授業をされていると思いますし、学校行事や委員会等の学校の活動も休むとしたら、大変失礼で無責任な行動と言わざるを得ません。

 高校受験でも同様なことが言えますが、中学受験生は小学生であり、学校を自分の意思で休んで受験勉強をしたいと思う子より、周りの人たちから声をかけられたり、促されたりされて休む子が多いと思います。

 小学生の時に、そのような経験をして、それが当たり前と思うことが怖いです。

 「自分にとって大切な受験があるけれど、クラスの友達たちとの時間も大切であり、小学6年生としての学校での役割を全うする」ことがその子にとって最善だと思うのです。

 学習塾が休ませて、本来学校に行く時間に授業を行ったり、親が休ませて家庭で勉強させたりすることは有ってはならないことです。

 学校や社会で身に付けなければならない、協調性や責任感、そして人を思いやる心、それらを育む状況がそこにはありません。

 中学受験は確かに大切なものかもしれませんが、志望校合格にフォーカスをし過ぎて、大切なことを見落としているように思います。

 そのような受験をし、有名中学に合格して有名な大学を出たとしても、社会の為に働けるでしょうか。人にありがとうと言われる人になれるでしょうか。そして、その子供たちも親と同じ道を歩んでいくとすると日本の未来は有りません。

 肩書が偉い人になれたとしても私利私欲に走り・・・ということになるかもと不安がよぎります。

 たとえ、受験の結果が悪くとも友達と仲良く楽しく協力して物事を、責任をもってやり遂げる子の方が、先々幸せを感じるのではないかと思うのです。

 学習塾が、学校を休ませての受験指導を慎むことを広めていきたいです。

 その子が本当に望むことは志望校合格ではなく、その後に有意義な人生を送ることではないでしょうか。


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中3生の夏前の試験は最重要 [★勉強・受験 「授業・勉強法・受験作戦」]

高校受験を目指す区立中学3年生は、学校の内申点が高校受験に関わります。

都立高校第一志望の人は合否の30%が内申点で決まります。

30%と言うことは、残り70%は入試の得点と言うことになり、入試の得点のウエイトは内申点の2倍以上であり、実力がものを言うことは確かです。※都立高校は、内申点300点+入試700点(500点満点を700点に換算)=1000点として合否を決めます。

だからと言って内申点を無視して試験勉強をしないと、いくら実力があったとしても、試験範囲が明示されている試験では。その時に頑張った人の方が良い得点を取ることになります。


内申点が悪くても実力があれば大丈夫と言う考えは危険です。

中学校の試験勉強をしないでも90点以上取れるのなら「5」となりますから問題は有りません。

しかし、学校の試験で80点台だとすると成績は「4」となります。

オール5とオール4では、都立高校で言うと内申点300点満点で60点の差がつくことになります。60点と言うことは入試の得点500点に換算すると30点分です。

実力が拮抗している受験生の中で30点と言うのは大きすぎる得点です。


日比谷高校などの自校作成校はさらにそれが顕著です。

理科と社会は共通問題ですから、受験生はほぼ90点から100点となり差がつきません。

差がつくのは数学、英語、国語です。

この3教科は自校作成問題で難易度が高くなっています。

実質3教科300点の勝負、平均点は60点前後ですから3教科平均180点です。

30点の差があれば1教科10点換算となるのです。


私立第一志望の人は1部の高校を除いて、学校の内申点が良ければ推薦入試で高校に入ることができます。

一般入試より推薦入試の方が、確実に志望校に合格できるためお勧めです。


このように、学校の内申点は高校受験にとって大切な大切な大切なものなのです。

では、その内申点は中学3年生の成績ということで12月上旬に決定されます。

従って、1学期(前期)の成績も当然含まれることになります。

6月、9月、11月と3回の試験があるとすると、その成績が全て加味されて中学3年生の成績となります。

と言うことは、1学期の成績が「2」の場合、最終的に「3」の可能性は有りますが、「4」以上になる可能性は極めて低い。

逆に「5」を取ってしまえば、最終的に悪くても{4}で収まる可能性が高いということです。

実際に1学期(夏前)の成績から最終的な12月に出る成績を比べると大きな変化は有りません。

9教科で-1~+3と考えておくとよいと思います。5以上アップと言う塾生もいましたが、それは本当に稀です。


従って、夏前の試験で頑張って良い成績を取ってしまうことが高校受験では大切です。

まだ、夏前は難易度も高くない試験であり、他の中3生が本気になっていないところで取り切ることがポイントです。

夏前の成績が志望校合格を大きく左右します。

夏前は成績、夏からは実力重視の学習で志望校合格を目指してください。

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