SSブログ

答えを出そうとすると問題は解決できない [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 今年の夏は授業とイベントが凝縮された夏となり、忙しく体力的にも厳しかったです。

 子供たちも緊急事態宣言明けに課題の提出、さらに長時間でハイペースの授業、短い夏休みに沢山の宿題となり忙しく大変な時期を過ごしたと思います。

 そして夏休みが明け学校が始まりました。修学旅行を始め学校行事が延期や中止となり、部活動も今まで通り行うことが困難となると、想い出づくりができずに楽しみが少ない学校生活が続くことになります。

 楽しみが少ない学校生活は子供たちの活躍の場を奪い、学校の色々な場面が子供たちの居場所となるはずが、そうならなくなっています。活躍の場が減ることは心の成長を止め、居場所を失うことは楽な方向へ向かわせると危惧しています。

 我々(ご家庭といぶき学院)は、今まで以上に会話の機会を増やし「なおそうとするな、わかろうとせよ」と子供たちを受け入れることで居場所づくりをしていきたいところです。それにより、このコロナ時代を前向きに生き逆境を力に変えることができると考えます。

子供たちの学習指導をしていると、“答えを出そうとする”子がいます。問題に書いてあることが解らないのにです。そして、“やり方を教わる”ことを望み、答えを書くだけの状況から正解を得て満足するのです。

 学力をつけるためには“答えを出そうとしない”こと、“やり方を教わらない”ことです。学力というのは、問題に書いてあることを解ること、そしてそこから新たな考えを導くことです。

 8月中私は数学と国語と理科を指導しましたが、毎回私は同じことを繰り返し話していました。「答えを求めようとするな」、「解っていることから解ることを考えろ」です。 


 人類はコロナ終息の答えをすぐ出すことはできませんでした。しかし何が起こっているのか、どんなウイルスなのかを知ることで少しずつ良い方向に向かっていることは間違いありません。

 終息が見えない中でも、世界中の人たちが終息を信じ今できることを実行してきました。簡単に答えが出ない問題を解くには情報収集と分析が重要なのです。

 それができればおのずと答えが出るはずです。


コメント(0) 

コロナ格差 [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 高校受験の会場テスト(模擬テスト)は9月も家庭受検となり、今年は1度も会場で試験が行われていない。その模擬テストの試験範囲だが、4月から半年が過ぎ本番まで5カ月となった9月の試験であるにも関わらず、理科は中1,2年生の総合問題。つまり中3の内容は一切出題されないのだ。数学の範囲も中1,2年生の範囲と多項式まで。社会は第二次世界大戦までとなっており、公民の範囲は出題されない。模擬テストは原則全受験生が学習を終えている範囲からの出題となるためこのようになったと考えられるが、いかにも遅すぎる。しかし裏返せば今年の中3生は中3の学習が進んでいないということだ。

 いぶき学院に通う中学生の学校は10校ほどだが、その中でも授業の進度には差がある。例年に近いペースで進んでいる学校もあるが、ほとんど新学年の内容が進められていない学校もある。では、ペースが速い方がいいかと言えば決してそんなことはない。早いペースに生徒がついてこられなくなるからだ。

 学習塾でも同様のことが起きていると考えられる。学校の進度に合わせている塾と、先に進めている塾がある。しかも今年度は都立高校受験で除外になった単元を学習塾が取り扱うかどうかも対応が分かれる。

 そのようなことを総合的に考えると、未だかつてないほどの学力格差が生まれることが容易に想像できる。現に1学期に行われた中学校の定期試験の結果、特に英語と数学だが、例年以上に30点以下の生徒が多いことに気が付く。それに対して90点以上の生徒はあまり変わらない。つまり学力格差か学校内に既に起きているのだ。学校内の学力格差は指導する先生にとっても負担となり、その負担は子供たちに影響を与え学力の伸びを阻害する要素となる。

 学校内で格差がある上に、学校間格差があり、それを補完する学習塾においても格差が生まれている状況で生まれる学力格差は受検にも影響を与えることは言うまでもなく、子供たちの未来にも大きな影響を与えると思う。

 受検においてはトップ校については大きな影響がないかもしれないが、上位から中位にかけて学力の低下は否めず、学校の成績も学力が低いにも関わらず良い成績が付き入学後の学習についていけるかどうかの不安が残る。一番問題なのは中堅以下。オール3に4がついている生徒あたりからは学力低下が著しくなると考える。

 今からできることは、今やっている学習を精一杯やっていくことしかできない。中堅以下はの高校入学は難しくない年となる気がするが、高校入学後にそのつけが回ってくる年にもなると思う。


コメント(0) 

頑張っているのに成績が上がらない [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

  「勉強を教えてください。」と来る小学生。「これはこう言うんだよ。よく覚えておいてね。」教える。そして覚える子。

 「やり方を教えてください。」と来る小学生。「これはこうやって答えを出すんだよ。わかった。」と教える。そしてやり方を覚える子。

 教わって勉強をする子の全員が問題になるわけではありません。その中には、教わることで意味を理解したり、必然性を見出して応用できたりする子がいるからです。

 一番問題なのは、教わって覚えようとして覚えてしまう子です。意味も解らず、何も理解していないのに答えを出す子です。そのような子は長時間勉強をして暗記して、パターンに当てはめて問題を解いていきます。

 そして、中学校に入って(中学受験で合格して)、その学習法を続けると、いくら勉強しても成績が上がらない世界に突入します。

 今まで何十人もの同様の相談を受けました。「親から見ても、この子は頑張っているのですが、成績が伸びない。」という相談です。

 頑張っているのに伸びない子の多くは暗記に頼っています。特に多いのは数学が解らないという子です。「理科や社会はどうなの。」と聞くと、一様に同じ返事です。「覚えればできる。」です。

 これは完全に赤信号です。「理科や社会は覚えればできるから何とかなるんですけど、数学は覚えても忘れちゃうんです。」

 まだ10代前半の子供たちではありますが、観ること、考えること、理解することをせずに覚えることが勉強と勘違いをしていることは、これからの高校、大学と続く学習、さらに社会に出た時の成長に不安が残ります。

 成績が伸びない理由は様々です。勉強をしていない、やる気がない、知識の欠如、基礎が理解できていない等の理由ならば、比較的解決しやすいです。

 しかし、教えてもらって覚える学習を継続している子は簡単ではありません。その中には志向型の学習に目覚める子がおり、その子たちは他の子より飛躍的に伸びるケースも少なくありませんが、長時間暗記学習をして最低限の成績を維持している子は根が深くなります。

 成績が伸びない原因は、暗記型学習にあるのですが、やめられなくなるからです。止めると不安になるからです。

 その場合は、勇気をもって暗記型の学習を止めるか、成績を伸ばすことをあきらめるかです。成績へのこだわりを捨てることができると、楽になり改善されることがあります。そして、得意なことに目を向けてそれを伸ばすことを考えていくと良いです。

 教えてもらったことを覚える学習法だと気づいたら早期の対処が肝心です。

コメント(0)