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伸びる人は解っていても話を聞く [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 問題を解かせると、良く解っていて早く終わる子、解くことが遅く最後まで終わらない子、解らなくて手が止まっている子がいます。

 「はい、そこまで。こっちを向いて!」と説明を始めると・・・

 不思議と、解らなくて手が止まっていた子が急いで書き始めるということがあります。

 私が問題を解いている過程を見ていて、勘違いしていたり全く解っていなかったりする子ほど、説明している時に話を聞けない傾向があります。

 「はい、そこまで。」と演習を止めて解説に入るのは、時間の制約があるからということはありますが、効率よく学力をつけるためのタイミングだと判断するからです。

 私は問題演習で理解を深め学力を高めるために、子供たちが解けるか解けないか、正解か不正解かに関わらず、問題に書いてあることを整理して考えられたことを確認してから解説に入るようにしています。

 ですから、そのタイミングで話を聞いて欲しいと思い「はい、そこまで。」と言うのですが、話を聞けない子がいるのです。


 学校でも学習塾でも先生が説明を始めたら話を聞く事が大切です。

 解っていない子は、どうして出来なかったのか、何が解らなかったのかを知ることで次につなげていくことになりますが、一番ここで怖いのはむしろ正解だった子です。

 正解であることで“解った気”になり話を聞かなくなるからです。

 私も“解った気”になって失敗したことは多々あり、本当は解っていなかったと後になって気づくことは少なくありません。

 問題演習で間違っていても話を聞いて学べる子は伸びていきます。

 むしろ間違いが多い方が修正するところが明確ですから、どんどん伸びていくことができます。

 そして、出来るようになっていくと次の壁が“解った気”なのです。

 その壁を越えてさらに伸びていく子、本当に伸びていく子は“解った気”にならずに、正解で有ったとしても本当に自分の考えが正しいか、正しいならば別の考え方はないかと常に向上心を持っている子です。


 人の成長を止める言葉は「解っています」です。

 「解っています」という人ほど実は解っていなかったりするものですよね。

 「解っています」は「私は既に充分解っているのであなたの話は聞くに及びません。という事ですから、そこからその人の成長は望めません。

 本当は解っていないかもしれないことにも気が付かず、別の考え方があることも知ることができなくなるのです。


 人は失敗した時は改善しようとしますが、本当にその人を成長させるのは成功している時に自分を変えていくことができるかではないでしょうか。


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