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中学校の絶対評価 [★勉強・受験 「授業・勉強法・受験作戦」]

 2002年度から、中学校の評価制度が絶対評価となりました。

 従来の相対評価は5段の割合が、「5」は7%、「4」が24%、以下「3」38%、「2」24%、「1」7%となっていました。

 ところが、絶対評価となると全員が「5」とか全員が「1」も有り得るということになります。

 勿論、中学校の試験で全員が100点とか、全員が0点と言うことは有りませんし、先生も極端に成績の偏りが無いようにつけてらっしゃいますので、そのようなことは有りません。

 とはいうものの、実際には「5」の割合は10%を超え、「1」の割合は3%程度です。そして、約半数は「3」となっています。

 そこから解ることは、あくまでも推測ですのでご注意下さい。

 「1」は1クラスに多くて2人。通常は1人か0人の割合ですから、授業を受けることができない子1人に「1」がつくと、他の子に「1」はついていないことになります。

 従って、私立高校では「1」がある子の受け入れには難色を示すのです。


 都立高校では、募集人数を下回ると是受験生全員が合格となる、「全入」となります。「1」がついている場合、実力をつけて私立校の一般入試で合格を目指すか、「全入」の都立を受験するかです。

 しかし「全入」の都立高校には注意が必要です。

 もともと考えている学力の生徒より学力の低い生徒が入学してくるわけですから、学力の低い生徒は授業についていけなくなり落第の可能性が出てくるということです。

 「全入」の都立を受験する場合は、合格してしまうわけですから、なおさらその高校に合う学力を身に付けておくことが重要です。

 合格通知より卒業証書の方が大切であることを、忘れないでください。


 いぶき学院に通塾する中学校数は公立中だけで10中学校を超えます。

 指導をしていると、その子の実力がどのくらいあるのかが解ります。試験結果より自分の感覚の方が確かだったりするものです。

 しかし、中学校の試験は各々異なるわけですから、そこに不公平が起きます。

 例えば、実力があり100点を目指すAさんと少し勉強が苦手で平均点が目標のBさんがいたとします。

 2人は中学校が違うため問題が異なります。

 Aさんが通う学校の数学の平均点が40点。Aさんの得点は75点。B山河通う学校の平均点が70点。B産の得点が80点。

 そうなると、絶対評価で言うとAさんの評定は「3」、Bさんの評定は「4」となります。

 実際には平均より30点以上高い得点を取ると、かなり優秀です。

 平均40点のテストで70点越えは相対評価では「5」に相当します。しかし、絶対評価で80点未満は「4」となります。

 勿論、学校では普段の態度や提出物なども加味され、平均点も考慮してバランスを考えるはずなので、必ずそうなるとは限りませんが、100点を目指して頑張っていたAさんが80点未満では、本人はショックでしょうし、高いレベルの志望校を目指していたとなると不安になってしまいます。


 このように、学校の問題の難易度が異なると、評定の学校間格差が生じてしまい、高校入試で公平に扱われるべき内申点にかなりの不公平が生まれることになります。

 少なくとも、絶対評価とは言え相対評価的な部分も確保して、各評価の割合に幅(「5」は全体の7%~12%とか)を持たせるなどの工夫が無いと、子供たちのやる気をなくす試験となってしまいますし、なにより高校入試が不公平なものとなってしまいます。

 中3だけはせめて…と思ってしまいます。


 絶対評価の良いところは沢山あるのですが、子供たちを試験の得点だけで評価してしまうとしたら、こんなに不公平でかつ、子供たちにとって残酷な評価は有りません。

 我々は、試験結果だけではなく、どれだけ試験に向けて真摯に取り組んだか、どれだけ真剣に将来を考え頑張ったかを見て、そこを評価したいです。


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