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文章題ができない子は計算ができない [★勉強・受験 「授業・勉強法・受験作戦」]

 「文章題(応用問題)はできない」ケースのほとんどは、計算ができないことが原因です。

 「計算はできるのに、文章題ができないので困っています」と言う相談を受けるのですが、本当に計算ができるのなら文章題もできるようになるはずです。

 例えば方程式の文章題を解くことを考えてみます。

 問題文から方程式をつくり、その方程式を解き解答を出します。

 計算ができる人は方程式をつくれれば、後は方程式を解くだけですから方程式をつくることだけ考えればいいことになります。

 極端なことを言えば、文章題の演習は方程式をつくるところまでで解く必要は有りません。

 従って、問題演習が短時間にたくさん出来ることになります。

 計算ができない人は方程式をつくれても、その後で時間がかかってしまい演習量は少なくなります。

 しかも、方程式を解いて解答を出すところまで時間がかかるので、問題を1問解くだけでも時間がかかってしまいます。

 ここで言う計算ができるというのは、どんな方程式の計算でもできるという意味です。

 中1ならば1次方程式、中2ならば連立方程式(2元1次方程式)、中3ならば2次方程式です。

 圧倒的な計算力があれば、文章題は方程式をつくるだけの問題となります。

 ただ、2次方程式は解いた後、答えの吟味が重要となりますが、解くことはできるので吟味に時間を割くことができるはずです。

 方程式をつくれば解答を導くことができるので、方程式をつくることが目標となるのです。

 方程式をつくるためには、問題文の整理が必要でその余裕も生まれるはずです。

 問題文の整理は、図や表等を用いて何が書いてあるのかを、まとめていくことで行います。

 まとめていくと、「わかつた!」となり、自然に方程式がつくれるようになるはずです。

 文書題ができない子は、この「わかった!」が有りません。

 圧倒的な計算力をつけ、式を作ることに全力をあげることで問題の意味が「わかった!」となるのです。


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ここが変だよ、学習塾② 「合格は目的ではなく手段」 [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 お金を儲けることよりも、お金の使い道を考えた方が良いと言う話を聞いたことがあります。

 つまり、どうやってお金を儲けるかと言う方法よりも、何のためにお金を儲けるのかという目的を考えろと言うことです。大金持ちになる目的が明確ならば、そのお金を有効利用できるはずですし、大金持ちになったあとの人生が有意義になるはずです。

 そうなると、お金を儲けることは目的を達成するための手段となります。

 何か目的をもってお金を儲けたとします。その目的、つまりお金を儲けてやりたいことを考えてみてください。

 豪邸に住んで毎日遊んで暮らす。おいしい物を飲んだり食べたりする。世界中を旅行する。趣味にお金をかける。高級車を購入する。会社を設立してさらにお金を儲ける。寄付をしたり慈善事業をしたりする。色々な考えがあると思います。

 次に、さらにその目的を考えてください。何のためにそうしたいのですか。それをすることが何になるのですか。

 そして、その目的を考えていくと何に行き着きましたか?それが自分自身の本当にやりたいことではないでしょうか。


 私は、志望校合格は手段であると考えています。合格を目的としてしまうと手段を選ばなくなります。そして、この世の中の全てのモノを手に入れた気分になるかもしれません。お金を儲けたけれどその後の使い道が解らない状態で右往左往するかもしれません。

 合格がゴールとなりしばらくやる気が出ないかもしれません。合格後のことを考えていないので、全てを出し切り何も残っていないかもしれません。丸暗記と受験テクニックで合格をしてしまい、それらが合格後に何の役にも立たないことにも気づくでしょう。そのような学習をした人に限って「数学なんて大人なって使わない。役に立たない。」と言うかもしれません。

 志望校合格を目的とした人は、同じことを繰り返す傾向があると思ってしまいます。大人になり一流企業に就職が決まると目的達成!社会的地位の高い役職に就くと目的達成!

 その後に待っているのは、空虚な気持ち、退職、辞任・・・。本当は就職をした後、偉くなった後が大切ですよね。でも、小中高生時代に結果を追い求める経験や望校合格を目的とする生き方をしてきた人達は、結果が全て目的となっているように思えてなりません。

 だから、いぶき学院は志望校合格を売りにしません。丸暗記やテクニックを身に付けさせる指導をせず、「何、何故」を大切にします。入試前に学校を休ませません。入試に有利になるようなボランティア活動や生徒会活動は推奨しません。

 その先にある目的を達成するための手段としての志望校合格だからです。

 社会に役経つ人間になって欲しいからです。優しい人間になってもらいたいからです 。「ありがとう」と言われる人間になって欲しいからです。

 今や学習塾は日本にとって無くてならない教育機関となっています。

 しかし、子供たちの将来の幸せや日本の未来に寄与しているとは、私には思えないところが少なくありません。それは年々多くなっているように思えてなりません。

 学習塾を含む教育機関が考え方を転換していけるよう取り組んでいきたいです。


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理科の学習法 第2回 「丸暗記しない」 [★勉強・受験 「授業・勉強法・受験作戦」]

 人は意味の無いコトは覚えられない。
 だから覚える時は意味づけをして覚えるのです。
 「水兵リーペ・・・」と元素の周期表を覚えたりします。

 覚えない学習をすると言っても、理解するために最低限覚えるべきことは有るのです。

 ここで大切なのは、点数を取るために覚えるのではなく、“理解するため”に覚えるとうことです。

 意味のないモノを丸暗記したら、次から次へと忘れていくだけです。時間と労力がかかるだけで、その時だけの得点と言う結果を残して消え去っていくのが丸暗記の学習です。

 私は「忘れる」と言う言葉はあまり使いません。なぜなら覚えていないからです。覚えようとして一瞬記憶したと思ったけれど言葉に出てこない。そうすると「忘れた」という事になるのです。

 したがって、“忘れない一番のコツは覚えないこと”なのです。これは何十年も前から塾生や保護者様に話していることです。

 覚えなければ忘れません。そもそも、忘れることが無いのですから忘れようにも忘れられません。

 では覚えない学習法に変わる学習法ですが、それは理解する学習法です。

 理解していると、同じことを説明するのに、別の言葉で説明できます。いろいろな切り口から説明できたり、具体例を挙げたりすることもできるはずです。

 私の授業も同じ学年で同じ単元であっても、全く同じ授業にはなりません。それは、覚えていないからという理由が1つあります。そして、塾生の状況によって授業の組み立てや、言葉、板書、例示などを変えるからです。

 みなさんの得意な事、好きな事を他の人に説明する時にそのようになると思います。

 それが理解しているという事だと思うのです。


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理科の学習法  第1回「覚えない」 [★勉強・受験 「授業・勉強法・受験作戦」]

 こんなことは有りませんか。

 テスト前に一生懸命覚えていたのにテストができなかった。後で答え合わせをした時に「このことだったのか」と思った。「知っていたのに」と悔しい気持ちになった。
 やった時は分かっていたのにしばらくすると忘れてしまう。
 定期試験では得点は取れるのに、学力テストや模擬テストになると得点が取れない。
 公式を覚えているのに答えを出せない。
 計算問題が苦手。記述問題が苦手。

 その様になる原因は、覚える勉強にあると思います。「理科は暗記教科だ」、「理科は覚えればできる」と考えると、理科の学習法として理科の暗記法とか理科の記憶術という話になります。
しかし、私は「理科は暗記教科ではない」、「理科は覚えてもできない」と考えています。したがって、理科の学習法として、“覚えない”を強くお勧めします。

 実際に、私の授業では「覚えなさい」とは言いません。もちろん公式も覚えさせません。ホワイトボードに公式らしいことは書きますが、当たり前のものとして塾生は理解して答えを出します。

保護者会等で良く次のようなことを話します。「お母さんお父さんの時代は覚えれば得点は取れましたが、今は覚えても得点は取れません。理科は暗記教科ではありません。」

実際に2021年度の都立高校の理科の問題を、覚える学習(知識重視・丸暗記)でどれだけ得点が取れるでしょうか?見ていただければ、知っているだけでは半分も出来ないと思います。

 入学試験も知識型から思考型へと移行しようとしています。都立の中高一貫校入試や大学共通テストはその例です。丸暗記で得点を取る人と、考えて得点を取る人のどちらを社会が欲しているでしょうか?

 最終形を想像しプロセスを自分で考え、それを創っていける人が望まれているのではないかと思います。

 理科は言葉の概念を理解する学問です。
 その概念を理解するために用語を使い説明できるようにしていきます。
 その過程で用語は頭に残るはずです。
 もちろん最低限の知識は必要です。いかに少ない知識で多くのことを解決できるようになるかがポイントなのです。

 理科が苦手な人は「解らなければ覚えてしまえ」が有るように思えてなりません。

 理科が得意な人は原因と理由を追求します。そうすると必要な知識が少なくても多くの問題を解決することができるのです。

 その時だけ高得点を目指すのなら丸暗記でも取れるかもしれませんが、継続して高得点とはなりません。試験範囲が広い、実力テストや模擬テストなどでは得点は取れません。当然のことながら入試でもです。

 成績保証をうたっている学習塾は、丸暗記の反復学習をすることで得点アップをしているのではないでしょうか。(違っていたらごめんなさい。)そうすると、初めは結果が出たとしても継続はしませんし、学力はつかないのではないかと推測されます。点数が上がることは嬉しいかもしれませんが、本当に解っているかは別です。解っていないと理科は最終的にできなくなる教科なのです。

 お薦めの理科の学習法は、“ノートまとめ”です。教科書とポイントの分かる薄い参考書など、2冊以上を用意して、その単元の重要であるポイントを整理していきます。まとめ方のコツは箇条書きではなく、段階的にまとめる(体系的)こと、→などを使って理由や結果を関連付けて書いていくことです。まとめ終わったら、見ないで説明できるようにしてみましょう。

 ちなみに、「問題演習=勉強」ではありません。

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ここが変だよ、学習塾① [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 学習塾は子供たちと世界の未来を創造するためにあると信じています。


 学習塾は保護者様がお客様であり、そのお客様によって経営が成り立ちます。

 したがって、お客様との関係が大切なために、要望を聞き入れる学習塾が多いのではないでしょうか。本人に合っていない指導法や教材、カリキュラムなどです。

 宿題を「たくさん出して欲しい」と言われればたくさん、「少なくして欲しい」と言われれば少なくす。「厳しくして下さい」、「個別指導でお願いします」、「3教科でお願いします」、「この教材でお願いします」、「学校の宿題をやらせてください」など、様々な要望があります。

 しかし、本人の状況と目的を考えた場合、その指導法が良いとは限りません。どんな教材を使って、どんなカリキュラムで、どのように指導することが本人にとって良いのか分析して決めていかねばなりません。

「お金を払うのだから言われたとおりにやってくれ」と言われ、「お金をもらえれば何でもやります」となることは絶対にやりたくないことです。

 それは、病院が患者の要望を聞いてその通りに治療するのと同じです。いくら患者から「こうして欲しい」と言われ、その通りに治療しても病気が治らなければ元も子もありません。

 保護者様の気持ちは受け止めケアをしつつ、本人の今の状況を分析し、未来の姿を描き、そのために今どのように指導していくことがベストなのかを提案していきたいです。

 
 逆に学習塾からの提案として不適切と感じる話を耳にします。学習塾は少しでも多くの教科やコースを取ってもらいたいのですから注意せねばなりません。

 中学受験で「とりあえず4教科やりましょう」・・・これは、確かに4教科の学習をしておけば、入試で4教科受でしか受験出来な中学があるので確かにそうなのでずが、どう考えても4教科受験が必要ない学校なのにと思うことがあります。
理科社会が得意だから4教科受験の方が有利と言うのも確かなのですが、それでも無理に4教科としなくても合格できるのにと言うこともあります。

 又、授業時間が長すぎる(=授業料が高くなる)ことや宿題が多いこと、宿題が難しすぎて親も困ってしまうこと、必要のない教材を与えられる(=教材費が高くなる)ことなど、学習塾からの提案や指導に対して首を傾げたくなることも少なくありません。

 個別指導での疑問もあります。

 まず授業回数についてですが、成績が上がらないから「回数を増やしましょう」と提案があったという話を聞きました。
これも確かにそうなのですが、成績が上がらない原因を伝えていないのに「回数を増やしましょう」は変です。

 原因が学習塾サイドにあるのか(例えば教材、カリキュラム、指導法、先生、システムなど)、原因が本人にあるのか(例えばやる気、遅刻欠席、宿題をやらない、理解度、基礎力、日本語力、学習量など)を見極めなければなりません。

 「検証した結果、基礎知識の抜けが多く家庭学習に委ねるには無理があり、それをカバーするためには回数を増やすことがベストであるので増やしてもらえませんか」なら解ります。

 そもそも成績が上がらないということは学習塾の問題であるにも関わらず、学習塾が変わろうとせず「回数を増やしてください」はおかしいと言わざるを得ません。

 本来は逆に「成績が上がらない」と苦情を言われてもおかしくない状況です。

 高すぎる個別指導の講習費の話も転塾してきた保護者様から聞きました。20万円や30万円は当たり前で中には100万円超支払った人もいたという噂も聞きました。本当かどうかわかりませんが、少なくとも苦手な教科や単元があると、回数が積み重なって高額になるようです。

 ちなみに、いぶき学院の2021年春期の個別指導最高講習費は34000円でした。

 こんなことを書いていると、他学習塾から恨まれてしまうかもしれませんが、私は学習塾が変だと思うので仕方がありません。

 では、当塾はどうかと言われたら変なことが沢山あるかもしれませんが、自分のことは棚に上げさせていただき、思っていることを書いてみようと思います。

 それは、学習塾は何の為に存在しているのかを考えた時、その経営の在り方を見直さないといけないと思うからです。




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