SSブログ

都立高校入試当日 [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 いよいよ、2019年度入試も都立高校一般と国立大学といったところを残すのみとなりました。

 そして、2月22日は都立高校入試当日です。入試前の授業を終えて、入試に対する心構え、試験の受け方などを何度も確認しました。


 最後は、“気持ち”が合否を分けます。

 「やるだけのことをやった。」と言う気持ちで受けること。試験直前まで参考書やノートなどを見ているようではそのような気持になりません。試験前や休み時間はリラックスして過ごすこと。

 「自分ができる問題だけできれば良い。」と言う気持ちで受けられれば、プレッシャーも軽減されるはずです。できない問題も解かなければいけないと考えると、できる問題を落とすことになります。受験生は少なくとも、模擬テストでは合格圏前後には入っていたはずです。都立高校の倍率は平均で1.4倍~1.5倍で、受験生の半分以上は合格となる入試です。と言うことは、出来る問題を落とさなければ合格に近づくのです。


 2月17日の日曜日、理科と社会の10時間特訓を行いました。その時はまだ本番まで5日ありました。受験生に2つのことを話しました。

 1. 受験が終わった時に、自分のことを褒めてあげる。
“誰が何と言おうと私は頑張った”
あと5日あるので、自分がやるべきことを決めて精一杯やる。周りの人たちの評価より、自分なりに頑張ったという思いが未来に結びつきます。

 2.どんな結果になろうとも、入学する学校をみんなの前で言えるようにする。
“入学する学校が自分にとって一番良い学校だ”
「○○高校に入学する○○です。高校では勉強も部活も頑張って、充実した高校生活を送りたいです。」

 結果を受け止めて前へ出ることが成長の証。それが言えれば新たな未来が広がります。

 受験勉強は合格の為ではなく、未来の自分の為のものであると思います。


 今年も、頑張った塾生たちを褒めてあげたいです。


コメント(0) 

割り算の筆算のやり方? [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 「たてる→かける→ひく→おろす・・・」

 小学生の授業。私は学年の途中から入塾してきた塾生達が、割り算の筆算がどのくらいできるか知るために、まず好きかどうか聞いてみました。

 おそらく割り算が嫌いとか嫌だとか言うと思いながら、「割り算は好き?」と聞いてみると、何と「好き。」と言う返事が多数。「できる?」と聞くと、「できる。」と言います。

 それならばやらせて確認しようと考え、「○○ページの1番の問題をノートにやってみよう。」となりました。

 やらせてみると、割り算や筆算についての理解がされていないのに正解は出せることが分かりました。筆算を機械的にやって答えを出しているのです。しかも、「たてる→かける→ひく→おろす・・・」のひとつひとつを理解していないことも分かりました。その子は正解を導くために、何をやっているのかわからないまま、意味が解らない作業を永遠と続けているのです。

 意味が解っていればすぐわかることを一生懸命に何度も書いて、消して、書いて、消して、書いて・・・教わった通りの手順を繰り返し、答を出そうとするのです。かけ算を間違い、ひき算を間違い、おろし方を間違いながらです。

 誰でも何をやっているのかわからない作業を続けることは苦しいと思います。しかし、それを必死に続けている子がいるのです。

 あまりにも頑張って計算するので感動して、授業の最後に「大変だったね。良く頑張った。すごいよ。頑張れる子だということがわかったよ。」と声を掛けました。

 何とか、その子が楽に楽しく計算ができるように指導していきたいと思いました。


 割り算の意味は?
 割り算はどんな時に便利な計算か?
 筆算で答を出せる理由は?

 それらが解って筆算を利用するのなら、筆算は素晴らしい計算のツールとなるはずです。

 しかし、筆算が答えを出すだけの道具であるとしたならば電卓で十分です。割り算だけではなく、加減乗除はもちろん複雑な計算は全て機械(電卓、スマホ、PC、アプリ等)がやってくれます。しかも人間より早く正確にです。


 我々が算数の計算から学ぶことは、その“意味”と“活用法”です。その上で筆算の“やり方”(答を出せる理由の理解と使いこなし)を習得することはOKだと思います。

 学びの目的は思考力と創造力をつけることです。みんな同じやり方をする必要はありません。誰も考えたことのない発想で、誰もやったことが無い方法で問題を解決できたなら、素晴らしいことではないでしょうか。

 ところが、いつの間にか学びの目的が正解を出すことになり、そのために画一化されたやり方を教えられ、訓練によって身に付けるようになっている気がしてなりません。しかもそこに“理解”はなく“暗記”があるのです。

 自由な発想、新たな創造のために大切なのは、目的と理由です。


 子供たちを取り巻く大人たち(学習塾の先生、学校の先生、家族)が目的と理由を考えるように導くことで、思考力と創造性が育まれていくと信じています。その一助となれるように我々も頑張っていきたいです。


 (ちなみに、私は割算の筆算のやり方を教える授業や、「たてる→かける→ひく→おろす・・・」と覚えさせる授業はしておりません。)


コメント(0) 

公式を覚えていなくてもできるのに・・・ [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 中学1年生の数学は、各区立中学校(※品川区は義務教育学校)が昨年末から図形の単元に入っています。図形の単元とは、空間図形(垂直、平行、距離…平面の決定…作図、おうぎ形)と空間図形(立体の体積と表面積)です。

 そこでは、計算で図形の角度や長さ、面積、体積を求めることが出てきます。おうぎ形では、面積、中心角、弧の長さ、そして角柱と円柱と球では、体積と表面積を求めます。
いぶき学院のカリキュラムは学校より早く、既に学習が終わっています。


 先日、中1の生徒たちが、「『学校で公式を覚えなさい。』と言われるけど、公式を覚えていなくてもできるのに・・・」と話していました。私が「覚えていなくてもできるのだから、いいじゃないか。」と言うと、「試験に公式が出るから覚えなければならない。」と返答されました。


 公式を覚える目的は何でしょうか?

 問題を解くため、正解を求めるためならば、公式を覚える必要はありません。

 ここでは公式を覚える目的が、試験で点数を取るためになっていますから、本来の目的には合いません。

 覚えていなくても、おうぎ形や立体について理解することで、確実に解くことができる塾生たちにとって、「体積を求めるために公式を覚えなさい。」は確かに困る気持ちは理解できます。


 そもそも、中1の図形の単元で公式を覚えて解くことは先々何につながるのでしょうか。これからの学習や高校受験に結びつくのでしょうか。少なくとも覚えて解くことは先には結びつかないでしょう。意味も分からず、やり方を覚えて、その通りに数字を当てはめると答が出る。これが“解った!”になるのでしょうか。

 私は、学校や学習塾で公式丸暗記型の指導が少なくないと思っています。

 学校や学習塾の先生方の指導を批判する気は毛頭ありません。皆さん、考えがあって指導されているからです。又、公式丸暗記で代入させるのではなく、公式を導くことや理解することに重点をおいた指導、公式の意味を解らせた上で使わせる先生も沢山いることも確かだからです。


 我々指導者は、今の学びが今後何につながり、何を目的としているのかを充分に理解することで、その場での“正解”の価値について考えていく必要があると思います。

 私は家庭(地域の方々)と学校と学習塾が教育について会話を持つことで、互いの立場を相互理解し尊重し合い協同することが、子供たちのためになると考えています。

 我々の願いは1つのはずです。だからこそ、1人の子に多くの人が携わる教育を実現させたいです。



コメント(0) 

高校一般受験、模擬テスト合格圏で絶対合格できる!?「都立高校受験校の決定」 [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 高校受験の模擬テストで「第一志望校が合格圏に入った!」受験生は、果たして合格できるのでしょうか?

 高校受験の模擬テストは色々とありますが、受験生が志望校を判定するためには、やはり信頼できる模擬テストを受ける必要があります。東京都では2つの模擬テストが信頼できると言われています。いぶき学院でも、その1つの模擬テストを受験生に受けてもらい、その結果で進路指導をしています。


 模擬テストの結果と合否の関係は私立と都立では違ったものとなります。

 その理由は、私立高校は内申点(学校の成績)が合否に関わりませんが、都立高校は30%関係してくるからです。たかが30%と思われるかもしれませんが、フィギュアスケートと同様で、ショートプログラムで失敗すると、いくらフリーは得点が高いと言っても逆転は難しくなります。都立高校受験の内申点は、されど30%であり合否に大きくかかわる数字なのです。

 つまり、本番の学力検査で私立高校は100%、都立高校は70%が合否に関わるということです。

 又、私立高校は3科受験で300点満点、都立高校は5科で500点満点ということも関係してきます。私立では1教科のミスは命とりとなりますが、都立では1教科失敗しても他に4教科あるわけですから挽回が可能です。逆に私立で1教科の得点が伸びると合格に近づきます。数学で80点を取った場合、私立では80/300、都立では80/500となり、80点の価値が違います。

 したがって、学力検査での出来不出来が与える合否への影響は、私立高校は大きく、都立高校は少ないと考えられます。

 と言うことは、模擬テストの合否判定は学力検査の影響が少ない都立高校の方が、より信頼できると考えられます。


 私立高校受験では、「第2志望に不合格だったのに、第1志望に合格」ということが起きるということです。

 ですから、合格ラインに入っていなくても過去問を解いて手ごたえがあるようならば、受験する価値はあるでしょう。逆に合格圏に入っていても油断は禁物です。


 都立高校受験では、私立高校受験より模擬テストの結果の信頼性は高くなる傾向があります。

 ただ、都立高校受験は倍率に大きく左右されることに注意しなければなりません。応募倍率が1.1倍以下ならば、模擬テストの結果如何に関わらず合格の可能性が高まります。

 しかし、受験生が自分の学力からかけ離れた高校へ入学した場合は、留年の危機があります。倍率が低いからという理由での高校選びは、合格できればいいという旧来の考え方に結びつき、現代の高校受験の在り方、高校での学習を考えると自分の学力に合った高校選びをすることをお勧めします。

 では、倍率が平均的(およそ1.3倍)な場合やそれ以上の場合はどうでしょう。

 その場合、3回から5回の模擬テストで、1度も合格圏に入らなかった受験生が第一志望の都立高校に合格したケースは稀であり、不合格の可能性が極めて高いと考えられます。

 いぶき学院の塾生で、都立高校の応募倍率が2倍以上で、模擬テストにおいて1度も合格圏に入らなかったのに受験したケースがあります。その受験生は、1年前には可能性がほぼ無いと考えられる都立高校を目指し、偏差値は10以上、内申点も上げて合格圏に近づいた受験生です。しかし、最後の模擬テストでも合格圏に入れませんでした。

 合格基準が偏差値約60のその高校の受験を諦めざるを得ないと考えていた私に対して、「嫌です」と言って受験しました。結果は合格!本番の入試は1月の模擬テストから約1か月後であり、本人がその間にさらに学力をつけた結果だと思います。運よく合格できたのではなく私は本人の頑張った成果であり、合格に値する学力を得たものと思っています。ただ、このような(合格圏に1度も入っていないのに倍率2倍を超える都立高校に合格する)ことは、極めて稀なことであることは間違いありません。

 1月と2月は高校受験において一番学力が伸びる時期であると私は思っています。ここを無計画に過ごすのか、計画的な学習ができるのかで差がつきます。そして、慌てずコツコツと受験直前まで学習することが大切であると思います。

 内申点、模擬テストの平均偏差値、最近の偏差値の動向(上昇か下降か)も含めて最終判断をすることになります。

 合否について言えることは、都立高校を受験する受験生のほとんどが、その高校の合格ライン前後であるという点です。合格ラインに入っていない受験生は受験をしないか、極めて合格の確率が低い。安全圏に入っている受験生は、極めて合格の可能性が高いということです。

 つまり、合格圏に入った受験生から不合格者が出るということなのです。

 合格圏に入った人は、「合格するかもしれない」と思って受けるのではなく、「絶対合格するぞ」と言う強い気持ちが必要です。そこからもうひと伸びが必要だからです。合格圏に入ったということは、合格する可能性が生まれただけであり、合格できるということではないのです。言わば受験する権利を得た状態なのです。だからこそ、1,2月の学習がポイントとなります。


 それでは、合格圏の受験生が志望校変更をすべきかどうかという点ですが、私は現実から逃げないことが大切だと思います。結果を受け止める勇気がなければ勝負はできません。受験しないことで悔いが残るのか、不合格となることで悔いが残るのかです。覚悟を決めて全力で臨めばよいのです。変更しないのも勇気、変更するも勇気なのです。

 志望校を変更するかしないは別として、前向きに進むこと勇気持って決断することができれば、それが一番正しい決断であり、その受験生を称えたいと思います。そして、その結果入学することになった高校での生活は充実し、未来の自分自身にとって大きな財産になると信じています。


コメント(0)