SSブログ

都立高校の出題範囲削減について [◆教育の役割 「教育は日本を変える」]

 東京都教育委員会は、2021年度都立高校の入試において5教科で例年より出題範囲を狭めることを決定しました。長期間の休校のため学習に遅れが出ていることが理由です。

 特に注意したいのは、数学と英語です。国語、理科、社会は除外による入試への影響は少ないと考えられます。除外内容を学習していないと入試で困るということはないと思います。高校入学後の学習においても大きな影響は考えにくいです。そして、除外内容は入試後に学習することで補うことができるはずですから、その3教科については気にしないことだと思います。

 さて、数学と英語ですが・・・

 三平方の定理と関係代名詞が除外されることになりました。この単元は中学数学と中学英語にとって最重要単元であり、単純に学力の低下、高校入学後に授業についていけなくなるなどの問題が起きるはずです。

 もちろん中学3年生全員が勉強をしていなければ、差がつかず、高校でも授業で取り扱ってくれる(取り扱わざるを得ない)はずですから、授業についていけないという問題は無くなります。

 ところが、私立高校の受験では、三平方の定理も関係代名詞も出題されるものと予想されますので、この2つの単元の学習をせずに高校へ合格できるのは、推薦入試とこの2単元の出題のない学校の受験となります。

 推薦入試の場合は学校の成績(内申点)で合否が決定されますから、学校で取り扱わない2単元を学習しなくても合格できることになります。なんと日比谷高校でも合格できるのです。

 一般入試の場合は、私立高校で2単元を出題しない学校が現時点でどれだけあるかわかりませんが、出題されない学校ならば学習しなくても合格できる可能性はあります。

 しかし、出題されない学校となると高校の選択肢が狭まることになりますので、受験校選択において選択肢が狭まることになります。

 都立高校を第一志望としている場合、私立高校は併願優遇で押さえることができますので、充分に合格は可能かと思います。日比谷高校でさえ可能なのです。

 ただ、都立高校でこの2単元が「出題されないから学習をしなくていい」という考えよりも、「出題されなくても学習をする」方が得点力を上げられることは間違いありません。

 例えば、三角形の重心については高校範囲ではありますが、中学生が知ってい れば問題を解く術が1つ増えるということはありました。

 相似で解くことができる問題は、三平方の定理を使って解くこともできる問題があるということです。都立入試では相似でしか解けない問題を出題すると思いますが、少なくとも三平方の定理を学習することで、図形に対する見方、考え方のレベルが格段に違うことは間違いありません。つまり、三平方の定理まで学習している人の方が、学力や得点力が高いということです。

 さらに、問題なのは2単元の学習をせずに高校に入学した場合、それらを学習済であり、しかも極めている人と同じスタートラインに立つということです。

 2021年に日比谷高校でこの2単元の学習をせずに入学式を迎える人が、存在しうるということです。日比谷高校を例にすると本当に怖い話になりますが、他の高校でもかなり学力の差がある新入生を迎えることになるのではないでしょうか。

 今までも高校は、推薦で合格が決まると遊んでしまう子を問題視していました。遊んでしまった子と一般入試で合格した子との差は大きく、入学式の時点で同じスタートラインに立っているようで、実は追いつくのが難しい程の差があることもあります。しかし、来年度は遊んでいなくても、今まで以上に差がついてしまうことが危惧されます。

 「合格できれば大丈夫」、「合格できれば卒業できる」わけではないことを肝に銘じてください。

 合格はゴールではないはずです。

 だから、三平方の定理と関係代名詞は勉強して受験をすることをお勧めします。




コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。